『GifT』
「あー、これカワイイ〜」
隣にいるのは俺の恋人、関智一。超カワイイ最愛のヤツ。
今日は珍しく2人そろって休みが取れたので一緒に買物。
っても、俺が合わせたんだよね〜。智一の誕生日に合わせて。
「ねぇ〜、子安さん。コレカワイイと思いませんかぁ?」
そういって俺に見せているのは今話題になっている人形だ。
何だか?悪い運を食べてくれるとか?いう奴らしいんだけど。
俺には智一の方がカワイイくて、カワイイくて…。
って、そうじゃなくて。(いや、カワイイんだけど。)
今日はこのあと、い〜っぱい祝ってあげたいんだけどね。
ケーキとかまだ買ってないし。準備してたものはいいとしよう・・・。
「子安さん?子安さん!」
「あ、ああ。確かに結構カワイイね、コレ。」
「子安さんも買いません?」
智一の手にはその人形が2体ある。
どうやら俺にも選んでくれたらしいけど、何か俺の微妙じゃない?コレさ?
まあ、今日は色々買ってあげようかな。智一の誕生日だし。
レジを済ませたあと早速、俺の携帯と智一の携帯に一つずつ、くっ付ける。
「やっぱり合うじゃないですか〜、その色カワイイ」
「お前のだって結構カワイイじゃん」
俺と智一のコレは遠くからでも見えるような色合い。
「へへー、どうです?カワイイっしょ?」
そういって見せてくる。
あ〜、もう、お前の方がめっちゃくちゃカワイイってばぁ〜。
って、そうじゃなくてな!!まだ買ってない物あるんだって!!
ここで時間使ってる場合じゃないんだよ。
俺は本来の目的を思い出した。
今年の誕生日を内緒にしておいてびっくりさせようと思っていた。
けど、セットしてる暇がない事に気づいたのは2日前。
ここ最近さ、仕事が多くて忙しかったんだよね?
色々準備しようと思って買っておいた物もあるけど。
今年はシンプルに祝ってあげようって事に。
時間は今まだ3時ぐらい。早くしないと買えなくなっちゃうだろ?お前の為のケーキが。
「さ、もう行こう。まだ買ってない物あるだろ?」
「ええ〜?…はい。」
暫く歩いてると小さな露店で売っている指輪が気になって智一が足を止めた。 どうやらペアリングらしい。
気づくと俺と智一はこのリングをずっと見ていた。中に書いてある言葉が、ふと気になった。
「えっと・・・これ、なんて読むんだろ?子安さん?分かります?」
どうやら英語ではないみたいだ。俺も読めない。
「いや・・・わかんない?なんて書いてあるんだコレ?」
『あ、いらっしゃい。何か気に入ったのある?』
「このリングが気になって・・・」
「誰かに贈るの?だったらコレ勧めるよ?どう?」
渡されたのは少しデザインの違う物。
でも、俺も智一も気になっているのはリングの方、かれこれ15分ぐらい見ている気がする。
『欲しいの?そのリング?さっきからずっと見てるし』
「えっ?俺?そんな顔してる?」
少し戸惑いがちな顔しながら、店番の子の方を見る俺。
「明らかに欲しいって顔してるよ?」
他にも気になる物はあるけど、やっぱり1番コレが気になる所だ。
「ね、コレくれる?」
リングを渡したき、店番をしてた子が何故かクスッと笑っていた。
「ありがと。コレ、今の2人にすっごいお似合いだよ」
「「え?」」
その時は何故、笑っていたのか分からなかったけど。
このリングに刻んである言葉の意味を知った時にすごく納得出来る気がした。
「J'aime un serment de l'éternité」
この言葉の意味はね・・・。
『 』
露店で買ったので包装とかは無いけど。
刻まれてる言葉に偽りはない。
このままだけど、俺からのプレゼント。
「うわぁ、ありがとうございます!!これから、肌身離さず持ちます」
そこには早速、買ったリングを袋から出して、空にかざして見てる智一がいた。
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