〜雨のち晴れ〜







霧雨が降る中、智一は傘も差さすに歩いていた。
武人と喧嘩をした智一は喧嘩の勢いで部屋を飛び出していた。
思わず口にした言葉に後悔する。

「何で『大嫌い』なんて言っちゃったんだろう。」


少し雨に濡れたかった。カッとなった頭を冷やすには丁度いい。



少し歩くと小さな公園に着いた。屋根付きのベンチと滑り台がある公園。
雨に濡れながら歩いたら、先程までカッとしていた気持ちも何処かへ。
屋根付きのベンチの下で智一は膝を抱え、顔を伏せる。


「はぁ…、どうしよう…。すごく好きなのに反対の事、言うなんて」
「智一〜!!」
智一を呼ぶ声。武人だ。もう見つかってしまった。
(「顔を逢わせづらい。どうしよう」)
智一は思わず顔を伏せた。だけどすぐに見つかってしまった。


「智一?ここにいたんだ。良かった。」
「…。」
答えない智一。
「あ、あのさ……俺が悪かった。」
その言葉に智一は伏せていた顔を上げた。


「本当に反省しているんですか?今日が何の日か分かってますよね?貴方の誕生日ですよ。
それなのに帰ってこないで何処に行っていたんですか!?
2人きりでお祝いしようと思って色々準備して待っていたのに…。もう時間が…日付が変わっちゃう。」


涙を一杯溜めながら智一は喋る。
只今の時刻は11時50分、あと10分で日付が変わろうとしている。


「…智一…今からでも遅くないよ」
「何、言ってるんですか。もう時間が…。っ!!」
武人は智一を胸元に引き寄せると瞼にキスを落とした。


「泣くなよ、それくらいで」
「だって…もう時間が…」
「確かに日付はもうすぐ変わるかもしれないけど。
…俺たちの時間はまだ沢山あるだろ?そこで祝ってくれないのかな?」
「まさか…そ、れって…///」
「だから…今から祝ってくれない?」


申し訳なさそうに言う姿を見たらまたカッとなっていた気持ちも何処かに消えていた。
先程まで降っていた雨もいつの間にか止んでいた。


5月5日はもうすぐ過ぎてしまうけど、僕たち2人の時間はこれからだ。
そう確信できる。
我侭な僕にこんなにも優しいキスをくれた貴方を沢山祝ってあげたい。


「今夜は寝かせませんからね」
「お、言ったな。そっちこそ覚悟しろよ。」


智一は笑顔で答えると武人の手を取り、歩きだした。
今から一緒に誕生日祝いをする為に部屋へと…。


















あとがき


何だか祝ってるんだか祝ってないんだか、分からないモノになってしまいました。
本気で才能ないです(涙)
こんなんでも読んでいただけると嬉しいです。


子安さん、お誕生日おめでとうございます。



ブラウザバックでお帰り下さいませ。
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