眠れない夜は貴方の声を聴かせて…
「…。…。…眠れない。」
子安はなかなか眠つく事が出来ずにいた。
いつも隣で 寝ている人がいないだけでこんなにも落ち着かないものなのかと。
ふと、枕元に あった携帯の時間を見る。
時計の時間は12時を回った所だ。
「…はあ。」
大き くため息をつくと、近くにあった抱きまくらを抱えこんだ。
最愛の人はイベント で地方に出掛けていた。
帰ってくるのは早くても明日。
それまでの間は、部屋に 独りきりになる。
「別に寂しい訳じゃない…」と自分に言い聞かせてみる。
け ど何だか虚しさだけが襲う。
本当はとても寂しいのに素直に言えなかった。
好き な人の前だからこそ思わず強がって「大丈夫だよ」と言っていた自分が嫌になる 。
「…はぁ。」
つい、ため息ばかり付いてしまう。
普段なら、12時前近くにな ると眠くなってしまう子安だが。
2日間、イベントで部屋を離れている三木の事を 思うと眠れなかったのだ。
(「電話しちゃおうかな…いやいや、ここはグッと堪えて…」)と、いいつつ。
手にはしっかりと携帯を握っていて、三木の番号(リダ イアル)を押すか、押すまいかとしている。
「…もう、きっと寝てる よね。何とか俺も寝ないと。明日、仕事だし」
自分に言い聞かせると、携帯を閉 じ、何とか眠りに付こうとする。
が、一向に眠気が襲って来る気配は無さそうだ った。
「…眠れない(涙)」
隣に三木が居る時は安心しているのか 、すんなりと眠る事が出来る。
抱き枕には何故?か三木の写真が貼ってある。
た ぶん、三木が貼っておいたのだろう。
誰かさんの為に。
それでも子安は眠れそう にはなかった。
(みっくん、早く帰って来ないかな?こんなのじゃ眠れないよ… 。)
「はぁ…」とまた、ため息を一つ、つく。
「やっぱ、掛けてみよう」
枕元に 置いてあった携帯を手に取ると、リダイアルを押した。
「もしもし?」
「あ…みっくん?ごめん、寝てた?」
「いや、まだ寝てないよ。」
まだ起きていた事に少しほっとした
「こんな時間にどうしたの?」
「ん、ちょっと眠れなくてさ…」
みっくんの声を聴いたら何だか気持ちがホッとした。
「明日帰るよ。それまでは抱き枕をオレだと思っておいてよ」
「ん、そうするよ。明日のイベント頑張ってきてね。それじゃ、おやすみ。」
「おやすみ、こやぴー」
離れている貴方を思うとなかなか眠れないけど。
声を聴いたら不安な気持ちも何処かへと消えていく。
ベッドに入ると抱き枕をしっかりと抱きかかえる。
「みっ…く…。」
何だか今夜はいい夢が見れそうな気がした。
〜あとがき〜
文句、苦情は一切受け付けません。
こんなの違うとか云わないで下さい。
管理人が眠れない夜に作った話なので、とても微妙です。
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